【学 名】 | Malva sylvestris |
【分 類】 | アオイ科・ゼニアオイ属 |
【別 名】 | ウスベニアオイ |
【種 類】 | 多年草 |
【草 丈】 | 40cm~100cm |
【原産地】 | ヨーロッパ |
コモンマロウの特徴
コモンマロウティーにレモンを入れると色が変わる
コモンマロウの花のティーは、のどの痛みを和らげ便通を促します>。
レモンを入れると、ブルーから紫、ピンクへと変わり、やがて消えることから夜明けのティーやサプライズドティーなどと呼ばれます。
色が変わる仕組みはリトマス試験紙と同じで、花に含まれる「アントシアニン」がアルカリ性だと青色に、酸性だと赤色に変わる仕組みを利用しています。
身近なものだと、同じくアントシアニンが含まれている紫キャベツも、レモン汁や酢、炭酸など酸性のものを加えることで、色の変化が確認できます。
コモンマロウティーの色が変わる様子
リトマス試験紙とは
酸性の液体をつけると青色が赤色に変わり、アルカリ性の液体をつけると赤色が青色に変わる試験紙。中性の液体をつけた場合、色は変わりません。リトマス試験紙は、リトマスゴケというコケから青色の色素をアルコールにとかしたものが、紙に染み込ませてあります。
アントシアニンは分子構造が変化する
アントシアニンの分子構造は、酸性に変わると水酸化物イオン(OH)に水素イオン(H)が1個付く分子構造へ変わります。そして、アルカリ性(塩基性)へ傾いていくと水酸化物イオン(OH)から水素イオン(H)がはずれた構造になるという特徴を持っています。
すると、この分子構造の変化が吸収する光の色(波長)へ変化を及ぼすので、色が変わるのです。
なお、実際のリトマス試験紙は、地衣類(菌類と藻類の共生生物)の一種であるリトマスゴケの主成分アゾリトミンが使われていて、原理はアントシアニンと同じです。
咳や胃炎に効果
花はサラダに散らし、葉と若い芽はゆでて野菜のように利用します。
ティーに使うのは花で、食べるのは葉っぱと芽の部分です。
葉と花の浸出液は、肌を引き締め炎症や湿疹にも効果があります。抗炎症、収れん、緩下作用があり、葉をもんで、虫刺され、傷の手当てに使用します。
マロウの仲間はどれも、咳や胃炎に効果があるとされています。
コモンマロウの育て方
丈夫で寒さにも強い
コモンマロウは、アオイの仲間なので、丈夫で寒さにも強い植物です。
栽培は簡単ですが移植を嫌うので、植えつける場所に種を直接まいて育てる方が適しています。よく日のあたる水はけのよい場所が適していて、特に土質は選びません。
意外と背丈が伸びるので、あらかじめ1メートルほどの高さを確保できる場所で育ててください。
コモンマロウの仲間
近緑種のハーブに、淡い芳香を持つムスクマロウや、地面を這うように伸びるクリーピングマロウがあります。
色が青から紫に変化する様子や、リトマス試験紙について解説しました。